これまで私は指数開発の観点から、単勝データの研究ばかりに心血を注いできました。
よってこのブログの記事も必然的に単勝ベースの分析結果について語ってきましたが、ふと「こういう馬連の狙い方はありかもしれない」とアイデアが浮かんだのでさっそく調べてみたところ、自分としてはかなり有意義だったのでその一部をシェアいたします。
その前段階として、今回の記事では馬連で狙えるオッズ範囲についてお話します。
最初にちょっと考えていただきたいのですが、「馬連を全通り均等買いした場合の回収率」はどれくらいになると思いますか?
正解は60.5%です。
この記事では「なぜ馬連の控除率は22.5%なのに、均等買いの回収率は77.5%を大きく下回ってしまうのか」について述べるととともに、「馬券として狙えるのはどの程度のオッズまでか」、そして「私が分析対象としてどのオッズ帯を対象にするか」について述べたいと思います。
馬連のオッズ帯別回収率
まず、馬連のオッズ帯別の成績を見てみます。
(対象データ:2017/9/1~2020/8/31 障害を除くJRA全レース)
オッズが低いほど的中率が高いのは当たり前なので、ここでは回収率に注目してみます。
イメージしやすいようにカラースケールを使ってみました。
(数値が高いほど赤が濃く、数値が低いほど緑が濃くなっています)
ご覧の通りオッズが高くなるほど(=人気薄ほど)回収率が低くなっています。
馬連277~356倍のゾーンで70%を割り、そこからはオッズが上がるに従って強烈な勢いで回収率が下がって行っています。
特に10万馬券を超えてるくると30%割れの箇所が目立ちますね。
よく「宝くじを買うよりは高額配当の馬券を買う方がマシ」という声も聞きますが、この水準であれば宝くじ(控除率約50%)を買う方がはるかにマシなようです。
反対にオッズ100倍以下の箇所では回収率が77.5%よりも高い箇所が見られます。
この結果を踏まえると高過ぎるオッズは買い目から外した方が無難なかもしれませんね。
また私は「馬連総流し」というのは選択肢から外した方が良いと考えます。
というのも、人気馬からの総流しはトリガミの可能性が高いのでやる人は少ないと思いますが、穴馬からの総流しについてもむしろ低回収率ゾーンの馬券をたくさん買ってしまうことになるため期待値が大幅に低下してしまうからです。
特大万馬券の取り逃しを防ぐために保険をかけたなくなる気持ちはわかりますが、その保険料は世の生命保険会社もビックリするほど割高だと考えて下さい。
均等買いの回収率が低くなる理由と狙うべきオッズ帯
次に、全通り均等買いの回収率が77.5%よりも低いのは、単勝均等買いの回収率が80%にならないのと同様の理由で、回収率が低い高オッズ帯の馬券を売上シェアよりも多く買ってしまっているからです。
もし控除率通りに回収したいのであれば、馬連の売上シェア通りに人気の高い(=オッズの低い)馬券ほど多く購入する必要があります。
実際に上記と同じ期間で払い戻し額が均等になるように馬連全通りを購入したケースを試算したところ、回収率は77.4%とほぼ期待通りの結果となりました。
もっとも実際には回収率が77.5%になることを狙って馬券を買うわけではありませんので、回収率が低いことがわかっているゾーンは狙わないというのがまずは得策ではないかと思います。
そう考えると大体オッズ300倍のあたりから回収率が悪化しますので、300倍を超える馬券を買わないというのがひとまずの目安になるのではないかと思います。
そこで300倍以下と300倍超で集計したところ以下の通りとなりました。
300倍超の買い目を削るだけで全体の約半数の買い目を削ることができ、残りの回収率も76.9%とほぼ期待水準に達していますので、まずは300倍超の馬券を買わないという目安にもご納得いただけるのではないかと思います。
また、私が今後馬連のデータを分析する際も原則オッズ300倍以下を対象にします。
これも単勝と一緒の考えなのですが、データ分析をする際に「回収率が77%よりも上なのか下なのか」で優劣を判断したいためであり、また高過ぎるオッズの馬券の的中によって集計結果が歪んでしまうことを防ぐためです。
最後におまけですが、私がレジまぐで「期待回収率」を配信してから8月で丸3年になりました。
そこでこれまでの3年間に配信した期待回収率のうち「2頭の合計値が200以上」となる馬連のデータを、オッズ300倍以下と300倍超で集計してみたところ以下の通りとなりました。
2頭の期待回収率の合計が200以上の馬連
(対象期間:2017年9月~2020年8月)
もともと私の期待回収率は人気薄馬は選ばれにくいため件数には偏りが出ていますが、やはり300倍以下に絞った方が成績は良さそうです。
(今年に限っては300倍以上の方が回収率が高いなど、短期的なブレはあります)
ぜひご自身の馬券投資でも高オッズ帯の成績を調べてみて下さい。
無駄な馬券が削れるかもしれませんよ。
以上、今回は馬連の分析の手始めにオッズについて記載しました。
次回は馬連の分析結果の一部をご紹介します。