競馬で枠番による有利不利はあるのか?勝率や回収率を調べた結果

たいのすけ
2019/3/21 最新データに基づき記事を大幅に書き換えました

今回は「枠番」の違いによる有利不利や成績を見てみます。

競馬では芝は内枠有利、ダートは外枠有利と言われています。

その理由は、芝は内枠の方がコースロスが少ないから、ダートは外枠の方が砂をかぶりにくいからです。

この記事では実際にそれをデータで確認しつつ、どのように馬券購入ルールに利用していくかを見ていきたいと思います。

目次

枠番の成績概要

なぜ馬番だけではなく枠番でも成績を見るのか

まず、「馬番ではなくて枠番で調べるのはなぜか」について述べておきたいと思います。

「枠番よりも馬番を見る方が分析も細かくできるのでは?」という声も聞こえて来そうなので。

私が枠番の成績を見る理由は、出走馬の相対的な位置取りを見たいと考えているためです。

例えば、同じ8番という馬番でも、8頭立てと16頭立てでは全馬の中に占める位置はだいぶ異なりますよね?

一方で、8枠ならスタート位置は「外」だと限定できます。

このように枠番の方が馬番よりも、内・外の特徴を的確に示している可能性が高いと考えているのです。

これが枠番で分析をする理由です。

もっとも、馬番で見た方が傾向が見えることもあるとは思いますので、馬番については別途分析したいと思います。

単に枠番別に成績を見ても傾向はつかめない

冒頭で、芝は内枠有利、ダートは外枠有利ということを述べましたが、芝とダートをひっくるめた成績も一応載せておきます。

「芝・ダートに関わらず距離ロスを考えると基本的に内枠が有利なのでは?」と思っても不思議はないですし、実際私も昔はそう考えていましたから。

過去5年の枠番別データを集計したところ、以下の通りになりました。

(対象:2014年3月~2019年2月の障害を除く中央競馬全レース 単勝2番人気~8番人気のみ)

たいのすけ
私が単勝2~8番人気に絞ってデータを集計している理由についてはこちらの記事をご参照ください→競馬負の分析にふさわしいデータの選び方

強いて言えば内枠の方が回収率が若干低いようにも見えますが、内枠と外枠で大きな特徴は見られませんよね。

なので、ただ単に枠番を見ても内枠有利、あるいは外枠有利などという判断をするのは難しいのです。

芝・ダート別に見た枠番別成績

次に、芝とダートで分けて枠番別成績を見てみます。

それぞれ以下の通りになりました。

①芝

②ダート

勝率で見ても回収率で見ても、芝は内枠有利、ダートは外枠有利の傾向があることがはっきりとわかると思います。

まずは傾向がより顕著に出ているダートコースから詳しく見てみます。

ダートの枠番別成績

先ほどの表を見ての通り、ダートコースでは4枠より内と5枠より外で勝率や回収率が全く異なります

特に1枠の成績はひどいですよね。

勝率も回収率もここまで悪ければ、ダートの1枠は大きく軽視してよいと思います。

それ以外については、2~4枠は低評価、5枠以降は高評価でもよい気がしますが、8枠だけは少し気になります。

というのも、1年半前に最初にこの記事を書いたときには、8枠はかなり回収率が高かったからです。

当時のダート枠順別成績は以下のような内容でした。

(対象:2012年10月~2017年9月の中央競馬ダートレース 単勝2番人気~8番人気のみ)

8枠の勝率は現在よりも高いですが、回収率もかなり高かかったことがわかります。

約1年半の期間が経過しただけで回収率が89.5%→81.4%まで8%ほども落ちたのです。

調べてみると2017年10月以降のダート8枠の回収率は70%程度と低い一方で、勝率は8.7%程度を維持していますので、これはダート8枠が有利であることが知れ渡って過剰に人気になったことが考えられます。

私の記事も多少なりとも影響を与えてしまったかもしれません。笑

なので、以前のように8枠を盲目的にプラス評価すれば良いという状況ではなさそうです。

まぁ、これを一時的な変化と捉えて、今はざっくり「ダート5枠以降はプラス」と評価しておくのも選択肢としてはありかと思います。
(8枠をプラス評価していた多くの人がこの記事を読んでプラス評価をやめれば、またもとの水準に戻るかもしれまんし。笑)

ですが、せっかくの機会なのでダート8枠に限定して有利な条件、不利な条件というのをさらに深堀りしてみます。

たいのすけ
私のスタンスとして、直近期間の成績の落ちだけでは評価は変えず、あくまでも5年という期間での成績を見て判断するようにしています。
また7枠も成績が落ちていますが、単勝回収率がほぼ85%の水準に留まっているため、今回の見直しは保留にします。

ダート8枠の成績

距離が長いと不利

まず、距離について考えてみます。

いくらダートは外枠が有利といっても、距離が長くなればなるほど外を回るロスは大きくなるはずです。

そこで、ダート8枠の距離別成績を見てみたところ、以下の通りでした。

たいのすけ
以降のデータはすべて「2014年3月~2019年2月の障害を除く中央競馬ダートレース 単勝2番人気~8番人気の8枠の馬」です。

1800mを超えると成績か著しく落ちていることがわかると思います。

よって、まずダート8枠は1800m超ではマイナス評価としたいと思います。

 

スタートが芝のコースは外の方が有利

一部のダートコースではスタートから少しの間だけ芝を走りますが、この芝部分は外枠の方が長くなっています。

つまり外枠の馬はスピードの出やすい芝部分を長く走れることになり、8枠の馬は最も有利になると想定されます。

実際のデータは以下の通りでした。

ご覧の通り8枠の馬は「芝スタート」の方が勝率も単勝回収率も良くなっています

なので、芝スタートコースのダート8枠もプラス評価としたいと思います。

なお、「コースごとに細かく見ればもっと分析精度が高くなるのではないか」と考える人もいるかもしれませんが、それだと個々のデータ数が少な過ぎてまともな分析はできません。

よって今回のように「スタートが芝」など、コースの種類ごとに分類しておくことをお勧めします。

たいのすけ
(2019/4/4) 以前はこの他に「最初のコーナーまでが長い」コースについての分析結果も載せていましたが芝スタートコースとほぼ一致するので削りました。

なお、このコースの分け方についての考え方は馬券裁判の卍氏のこの本↓を読んで学んだものです。

1億5000万円稼いだ馬券裁判男が明かす 競馬の勝ち方 (競馬王馬券攻略本シリーズ)

今回の記事の「芝スタート」のコース分類もこの本の内容をそのまま利用しているので、どのようなコースがこれらの分類に当てはまるかなど、詳しい内容を知りたい方は読んでみてください。

以上、ダートと枠順の関係について、特に8枠の馬について細かく分析してみました。

ちなみに、別途「馬番」の分析にて8枠を違う角度から分析した結果、ある事実がわかりましたので、ダート8枠については馬番の方にルールを譲っています。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

偶数馬番は奇数馬番よりも本当に有利なのか?

2017年10月12日
 

次はメルマガ読者限定記事として芝コースについて見ていきたいと思います。

【次の記事】

芝コースにおける枠番の評価

2017年10月9日

2 件のコメント

  • いつも楽しく拝見しております!
    たいのすけさんの記事を参考に自分なりに調べたのですが、ダートの5~8枠は馬体重500kg以上の大型馬の距離短縮が非常に回収率が高いです。人間でも短距離の選手はガッチリしてますよね?それと同じかなと…
    プラス前走6着以下、前走逃げていない馬、これで回収率がスパークします笑

    8枠は過剰人気がちかも知れませんが条件絞ればまだまだ美味しい馬券はありそうです。

    • おくさん、コメントありがとうございます!

      私も以前に「馬券師バイブル」を読んだときに検証してみましたが、おっしゃる通りダートコースの大型馬距離短縮は成績が良いですよね。
      (8枠はそれでも最近回収率が低下傾向ですが)

      ただ、もともと大型馬は別項目でプラス評価を与えているので、距離短縮のルールでそれを加えるかどうか試行錯誤中です。
      複数項目で同じ内容を盛り込んでしてしまうと、合計したときに過剰評価になってしまうので…。

      前走6着以下、前走逃げていない、などもそれぞれ「前走着順」「前走位置取り」の項目で評価しているので、どの項目で評価するかを再度検討してみます。
      ありがとうございました!

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    競馬歴20年のたいのすけです。 逃げ馬の研究をきっかけにここ数年は「競馬で勝つ」ことを追求し、分析と実践を繰り返しています。 徐々に成績は向上してきていますが、目標とする「完全自動投票でお金が勝手に増えていく」という状態にはまだ達していません。 なるべく多くの情報を発信して、それを受け取った方々から反対に情報をいただく、というのが現在のスタイルです。 ぜひ情報交換していきましょう!