今回は前走着順と回収率の関係について見てみたいと思います。
競馬新聞などで馬柱を見て馬券を買う人であれば、そのほとんどが「前走着順」について何かしら意識するのではないかと思います。
そして多くの人が着目する項目だからこそ、この「前走着順」によって過大評価される馬や過小評価される馬がいてもまったく不思議ではありません。
個人的にはまず想定できるのが、前走着順が良い馬が必要以上に人気になるのではないかということです。
前走着順が良い馬は、前走着順が悪い馬と比べれば好走する可能性が高いと考えるのが自然ですが、多くの競馬ファンが同じことを考えて馬券を買ってしまうと、それは「買われ過ぎ」につながると思われるからです。
同様に、前走着順が悪い馬は、多くの人が不安視する材料になり得るので、過小評価につながることが想定されます。
このように多くの競馬ファンが着目する項目は過剰人気や過小人気になりやすいと考え、その逆を突くことで回収率を上げる発想を持つことが重要だと思います。
もちろん、実際に過剰人気・過小人気になっているかどうかの検証は必要ですが。
ということで、上記のような推測を持った上で、前走着順と回収率について集計してみました。
対象データはいつものように過去5年(今回は2015年1月~2020年2月9日)の中央競馬全レース、単勝2~8番人気です。
まず、前走1着馬については今走が昇級戦であることが多いので、前走2着以降とは明らかに条件が異なるため今はいったん考察から除外します。
(後日改めて個別に検証します)
昇級馬の成績については、こちらの記事をご参考にして下さい。
さて、前走1着馬を除くと、やはり事前に予想した通り前走2着あるいは3着といった好成績馬の回収率は低くなっています。
私は「単勝回収率75%未満」を1つの目安としてそれに該当する馬をマイナス評価していますが、前走着順が2着もしくは3着というだけでその条件を満たすのです。
この前走2、3着馬は勝率や複勝率は良いので確かに馬券には絡みやすいのですが、それ以上に馬券が買われ過ぎてしまっているということになります。
一方で、前走着順が悪い馬の回収率についてはこの表だけでは何とも言えません。
確かに前走4着以下では単勝回収率が高い部分もチラホラ見受けられますが、逆に80%を割るような部分もあったりとこの6着以下という条件だけではプラス評価は難しいと思います。
また「前走6着以下」という条件でまとめて集計すると単勝回収率82%となり、やはりプラス評価とするには物足りない数字となっています。
(プラス評価については85%以上の単勝回収率を目安としています)
以上から、単純に前走着順から導き出せるルールとしては「前走2、3着馬がマイナス」という評価に留め、次回は前走着順が悪い馬について別の条件を加えることで、プラス評価できるルールを導き出したいと思います。
【次の記事】