今回は「トラック種別の変更(芝⇔ダート)と回収率の関係」を見てみたいと思います。
ダートから芝、あるいは芝からダートへとトラック種別を変更して出走する馬はよく見かけます。
このような馬は「前走までがパッとしなかったので環境を変えてチャレンジしてみる」というダメ元のパターンと、「芝で走らせてみたところダートの方が適性がありそう」というような前向きなパターンがあると思いますが、果たしてこれらトラック種別を変更した馬の勝率や回収率は高いのか、低いのか?
さっそく調べてみました。
対象データはいつものように過去5年(今回は2012年12月~2017年11月)の中央競馬全レース、単勝2~8番人気のみです。
私がなぜ単勝2~8番人気に絞っているかについてはこちらの記事をご覧ください。
さて、ダートから芝、芝からダートに変更した馬の成績は以下の通りです。
我ながらびっくりする結果が出ました。
ダートから芝に変更した馬の単勝回収率は96.8%という結果になったからです。
3,500を超えるデータ数で、しかも9番人気以下の人気薄を除いてのこの結果ですから、真面目に考えざるを得ません。
ただ、勝率が低く複勝回収率がそこまで良くないので、ちょっと慎重に検証してみたいと思います。
回収率が高いのに勝率が低いということは、おそらく2~8番人気の中でも人気薄の馬の活躍が大きいことが予想されます。
なぜなら2番~3番人気の成績が平凡で、6~8番人気あたりが良い成績を残すような場合にはこのようなことはよく起こるからです。
ただ、上位の成績があまり良くないと投資成績の安定性は崩れますから、実際にどうなっているのか人気別に分解して上の結果を見てみました。

これを見ると、確かに下位人気の方が成績が良いことがわかります。
単勝6~8番人気はいずれも何と100%を超えます。
これだけで「必勝馬券術」とか言ってしまう馬券本とか商材もありそうです。笑
やはり下位人気が平均値を作り上げているのは予想した通りではあるのですが、今回は通常のケースとは少し事情が違うようです。
というのも2番人気でも98%近くの回収率があり(こちらは複勝も98%)、その他も4番人気を除けばなかなかの好回収率だからです。
4番人気については全体の傾向を考えるとたまたま回収率が低いと見る方が自然だと思います。
また、そもそものデータ件数が下位人気にいくほど多くなっていますが、これが勝率の平均値を低くしている大きな要因です。
各項目のデータ件数に偏りがあれば、平均値はデータ数が多い方に近づきますので、今回は人気順が低い方に寄ってしまっているわけです。
なお、下位人気の方がデータ件数が多いということは「ダートから芝にトラック種別を変更した馬は人気が出にくい」ことを意味していると考えられます。
これは一般の競馬ファンが過剰に「ダートから芝への変更はマイナス材料」と捉えていることになりますので、まさに狙い目と言えます。
ということで、上位人気の複勝回収率もそれなりの成績であることも合わせて、ダートから芝の変更はプラス評価としたいと思います。
次回は芝からダートのトラック変更についてより詳しく検証して、有効なデータが取得できないか試みてみます。
【次の記事】
これは私も注目していました。
公開するのがもったいないぐらいの貴重なデータですね。情報提供ありがとうございます。
全体的に競馬は変わり身が狙いだと思います。騎手変更、距離延長(短縮)なども同じ発想です。
大きく条件が変わる時は過去の内容を度外視できるのに、過去にとらわれる人がいる。
だから穴になって回収率が高くなるのだと思います。
特に過去の着順やタイムが酷い時は人気が落ちやすいので、狙い目です。
通りすがりさん
コメントありがとうございます!
確かに変わり身は狙い目ですよね。
通りすがりさんもご記載の通り過去にとらわれる人や、逆に変化を毛嫌いするファンが多いために回収率が高くなっているのだと思います。
今後また紹介しますが、前走成績が良い馬は回収率は低くなりがちですからね。
前走成績が悪い馬の変わり身を狙うのは有効な手段だと思います。
距離短縮・延長や騎手変更についても今後公開していきますのでお楽しみに!
自分もこれ調べた事あるんですけど右回りと左回りの競馬場で勝率複勝率に違いが出ました…左回りの方が成績悪いです。
おそらく左回りの競馬場だと直線長いので瞬発力勝負になった時にダート走ってたような馬だとついていけないかと…実際調べたら右回りと左回りでは右回りの方が上がり順位が上の馬多かったので仮説ですけれど一応根拠はあるかなと。
あと8枠がやたら成績良かったですが理由はわかりません笑
おくさん、コメントありがとうございます!
試しに競馬場ごとに調べてみたところ、確かに東京競馬場の勝率は低めに出ましたが、新潟や中京はむしろそこそこ良い結果となりました。逆に中山の成績がとても悪かったりと、特に左回りが悪い結果にはなりませんでした。
ただ、競馬場まで分類してしまうとサンプル数がかなり少なくなってしまうので、データ取得期間のちょっとした差でも大きく違いが出てしまうかもしれないですね。
左回りの方が瞬発力勝負になったときについていけないというのはその通りかもしれません。他にもテンが早くなるようなレースへの対応も難しいでしょうし。
そんなマイナス要素を考えると馬券を買いにくくなることが回収率が高い要因なのかもしれませんね。