私は以前逃げ馬だけを分析していた時期がありました。
ブログやメルマガも書いていたのでご存知の方もいるかもしれません。
ご参考:拙著ブログ「逃げ馬を追え!」
(今見ると拙い記事が多くてお恥ずかしい限りですが…(^^;)
そんなわけで逃げ馬には人一倍思い入れがあるのですが、最近「要は逃げそうな馬を買ってれば儲かるんでしょ?」とも受け取れるような安易なご意見も見かけるようになりました。
そこで警鐘を鳴らす意味を含めて「単純に逃げそうな馬を選んでると痛い目をみますよ」ということをお伝えしておこうと思います。
逃げ馬そのものの成績が優秀なのは間違いない
まずは、逃げ馬の成績がいかに優秀かを知らない人のために、最初に3コーナー順位別の成績をご紹介しておきます。
以下の表は3コーナー順位別に成績を集計したものです。
対象データは2015年7月~2020年6月の5年間、JRAの障害を除く全レース、単勝2~7番人気です。
さて、ご覧の通り3コーナー1位の馬の単勝回収率は180%、複勝回収率は123%もあります。
前述の通り2~7番人気に絞っているわけですから、大穴馬は入れずにこの成績です。
凄まじいですよね。
そして、2番手の馬も回収率は単複ともに100%を超えていることにもご注目下さい。
つまり、3コーナー2番手以内に入る馬を当て続ければ大儲けできるわけです。
(実際には半分も当てられないわけですが…)
一方で3コーナーで6番手以降の馬の成績は悲惨なものです。
これを見る限りよほどの事情がない限り「あえて追い込みそうな馬を狙う」というのは得策ではないことがわかると思います。
よって、まず逃げ先行馬を狙うというのは特に初心者にはおススメの方法です。
しかし問題なのはその逃げ先行馬の選び方なのです。
前走逃げて好走した馬は狙ってはいけない
さて、ではどうやって逃げ・先行馬を狙っていこうかと考えた時に、多くの人が考えるのが「前走逃げた馬を狙う」ということです。
確かに前走レースで逃げていれば、今走も同じ戦法を取ってくる可能性は高そうです。
少なくとも差し馬の逃げ転向を狙うよりは、前走逃げた馬を狙う方が確率は高そうですよね。
そして先ほど見た通り仮に逃げられずに2番手でも儲かるわけですから、前走逃げた馬が好まれるのは無理ないと思います。
しかし、今度は前走3コーナー順位別に成績を集計してみると以下のようになります。
前走3コーナー1位の馬、つまり前走逃げた馬は単勝も複勝も回収率が75%程度しかありません。
これは前走3コーナー2~5番手あたりを進んだ馬よりも大きく劣る数字です。
ただ単に前走逃げた馬を買えば儲かるほど甘くはないのです。
では、前走逃げた馬は狙わない方が良いのか?ということになりますが、ここでさらに掘り下げて見てみます。
下の表は、上記の結果から前走3コーナー1位の馬(=前走逃げた馬)だけを抜き出して、前走の着順別に集計したものです。
つまり「前走逃げた結果、何着だったのか?」という分類です。
ご覧の通り前走逃げて1、2着に入った馬は明らかに回収率が低いです。
3着馬もやや物足りないですね。
反対に4着以降の成績は相対的に高くなっています。
見やすくするために4着以降と3着以内に分けて集計してみました。
明らかな差が出ましたね。
単勝回収率は20%も異なります。
前走で馬券に絡むとどうしても注目されてしまうので、4着以降の馬に着目するというのは逃げ馬狙いに限らず有効なことが多いです。
一方、勝率や複勝率は前走3着以内の馬の方が高いことにも注目してください。
馬券によく絡むのは前走3着以内の馬ですが、お金になるのは4着以降の馬ということです。
当てたい意識が強いとこの盲点にハマるので注意してください。
前走着順については、以前に書いたこちらの記事ご参考にして下さい。
そこで今回は前走逃げた馬(=3コーナー順位1位)の着順別成績を、全人気(1~18番人気)について集計したものも載せておきます。
前走1着馬の回収率はさらに悪化しました。笑
前走逃げて勝ち切った馬の回収率は55%しかありません。
むしろ無条件で切って良いレベルですよね。
以上、今日は「逃げ馬を狙うのは悪くないけど安易に飛びつくと痛い目を見ますよ」というお話をしました。
逆に「前走逃げたけど4着以降に敗れた馬」を狙うだけでもそこそこの回収率が狙えることもお伝えしましたが、もちろんその他の条件を組み合わせていけばより高い回収率を狙えます。
その辺も機会があればご紹介しますが、最近はデータで紹介するとすぐに真似されてしまうので慎重に対応したいと思います。笑