11月はR channelさん主催の「RGP杯」というイベントに参加させていただきました。
結果は4着に敗れましたが、個人的にはとても良い経験になったので、記録として残しておくためにも簡単に自分のチームの総括をします。
私の所属チーム「Expected」が、どのような戦略を立てどんなことを考えながら戦ったのか、参加チームとしての戦略や心理を知る機会は少ないと思うのでぜひご覧ください!
目次
大会概要
大会についての詳細はR channelさんの説明noteに譲りますが、簡単に言うと3人1組のチーム戦で、1日5頭の推奨馬を挙げ、1ヶ月間の順位ポイントを競う大会です。
この大会のルールの特徴は以下のポイント制にあります(上記noteより引用)。
ポイント詳細
(人気×ポイント)1着 5ポイント
2着 3ポイント
3着 2ポイント
4着・5着 1ポイント
6着以降 0ポイント
最下位から5頭までは-1ポイント
人気×ポイントなので、人気薄ほど高得点が狙えます(例えば1番人気だと1着でも5ポイントですが、10番人気だと50ポイント入ります)。
ただ、最下位から5頭に入ってしまうと「-1×人気」で計算されてしまうため、穴狙いにも大きなリスクが伴うルール設定となっていました(1番人気だとマイナス1ポイントですが10番人気だとマイナス10ポイントです)。
チーム結成と戦略
結成
もともとは「デジタル vs アナログ」というコンセプトから始まった企画だったこともあり(最終的にはその概念はなくなっていましたが)、ぜひとも参戦をしたかった私はデジタル派として一緒に戦ってくれるメンバーを探しました。
そして兼ねてよりTwitterでのやり取り等を通じて「この人たちは優秀だ」と思っていたお2人に声をかけたところ、快く引き受けていただき、参加メンバーが決定しました。
その2人とはびっくるさんときーちゃんさんなのですが、その2人の凄さはぜひそれぞれのTwitter上でご確認下さい。
一方、R channelさんの方ではちょうどデジタルチームが不足気味だったようで、無事参戦できることになりました。
戦略
結成後に最初に決めたのはチーム名でしたが、とくに誰もこだわりがなかったので、3人に共通しそうな単語をいくつか挙げ、その中から何となく響きがよかった「Expected」に決めました(「期待値:Expected Value」の一部)。
続いて本題の戦略です。
まず、この大会は前述の通り「人気×ポイント」を競うルールのため、人気が非常に重要な要素になってきます。
そこで過去のレースから人気順ごとに各着順の出現率を集計し、それぞれのポイントから「期待ポイント」を計算しました。
例えば、16頭立ての1番人気だと以下のようになります。
簡単に説明すると、16頭立ての1番人気は勝率が30.7%で、今大会のルールでは先述の通り1着が5点なので、「1着として期待できるポイント」は30.7%×5(素点)×1(人気)=1.54ポイントという具合です。(データは過去5年)
同様にすべての着順でその計算を行ったもの(=期待ポイント)を合計すると、16頭立て1番人気全体の期待ポイントは2.4ポイントとなります。
同様に2番人気から16番人気まで計算すると、それぞれの人気の期待ポイントは以下の通りとなりました。
この表を見ると、まず11番人気以降は期待ポイントがマイナスであり狙わない方がよいことがわかります。
そして3~6番人気あたりの期待ポイントが高く、このあたりを狙っていれば予想力とは関係なく1日20ポイント以上(5レースなので)が期待できます。
私たちのチームではこれよりももう少し許容幅を広くして2~7番人気を狙うことにしました。
このようにまずはルールの特性からターゲットとする人気の範囲が決まりましたが、肝心なのはその中からどの馬を選ぶかです。
もしかするとこれを読んでいる人の中には、私たちがデジタルチームだということで、「3人で小難しい計算をしながら対象馬を選んでいるのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、実際は極めてシンプルな選び方をしてまいした。
ざっくり言うと、3人ともそれぞれ指数値を計算しているのですが、「3人全員が高い評価を与えている馬を指定馬にする」というような決め方をしていました。
この説明のためにまず以下の表をご覧ください。
「3人の評価順の合計」と書かれた欄は、3人それぞれが各レースで付けた評価順の合計ポイントです。
(期間は2020年1月以降で、対象は先に決めた2~7番人気に限定しています)
例えば、あるレースで3人ともが同じ馬を1位評価していた場合は評価順合計は1+1+1=3となりますし、2人が1位評価&1人が2位評価の場合は評価順の合計は4になります。
表をご覧いただくとわかる通り、合計3位馬や4位馬の成績には目を見張るものがあります。
これを見て私も「RGP杯関係なく、単純に合計3位や4位の単勝を買ってるだけで勝てるじゃん」と思ったほどです。
複勝率も50%ほどあるので、上位に入ればポイントをもらえるこのルールへの適合もバッチリです。
ということで、「3人の評価順合計が3or4位の馬は無条件で買う」ことになりました。
そして3位4位だけでは5頭に足りない日については、順次5位、6位…と順番に切り上げていく方法を取りました。
ちなみにこれだけ見ると、アナログ予想で「全員の◎が集まった馬を指名する」というのと大差ないように思えるかもしれませんが、私たちのようにお互いの成績をGoogleスプレッドシートを使ってものの10分程度で上のような集計をできてしまう点は、まさにデジタルチームならではの強みと考えています。
続いて、この企画の1つのカギになる「2倍ポイント」についての戦略です。
その名の通り、2倍ポイント宣言をすると、獲得できるポイントも2倍になるというオプションですが(マイナスも2倍)、これについては「3人の本命が合致して(つまり評価順合計=3)、かつ人気順による期待得点が4以上」の場合に使用することにしました。
戦況を見ながら使っていくような手も考えられますが、私たちのように馬の選び方がほぼ定量的に決まる場合は、他チームの状況に関係なく「期待値が高い時に使う」ことがもっとも有効だと考えたためです。
過去データのシミュレーションでもこのような馬は月に4回程度の出現頻度でしたし、メンバー間でもすんなりの合意となりました。
以上が大まかな戦略ですが、過去のシミュレーションから1日あたり30ポイントくらいを獲得できる想定で、またそのポイントで優勝争いに加われるだろうと考えていました。
本番
開催日にやったこと
さて、戦略が決まったので後は本番でこれを実践するのみです。
まず、私たちのチームは他のチームと比べて、前日の話し合い等はおそらく一番少なかったのではないかと思います。
朝9時までにそれぞの指数を共有して、それをデータベースに取り込んで計算すれば、ものの数分で前述の評価順が出てくるからです。
その後はいくつか評価順が並んでいる馬が出てくるので、そのうちのどの馬に投票するかを決めることくらいでした。
ただ実際に馬を選択するにあたって想定外だったのは、日中の人気順の変動です。
もちろん日中にオッズが大きく変わることはこれまでの経験からも承知していたのですが、人気順(特に上位)についてはそこまで大きな変動はないだろうと考えていました。
例えば、朝一で2~7番人気に入っていればレースまでにその枠から外れることはあまりないだろうと思っていましたが、現実は大きく違っており、3~4番人気だった馬が1番人気になってしまうことなどザラでした。
反対に1番人気馬からの人気落ちで指定馬候補になってくることも頻繁にあり、選定候補馬が日中にコロコロ変わるのはやっかいな問題でした。
事前の想定では朝とお昼の2回、対象馬を選定すれば事足りると考えていましたが、実際にはそれ以外の時間も細かく人気順を確認しているような状態でした。
(それでも何頭かは1番人気を選ぶことになってしまいましたが)
ただ、逆に言えばその人気順の確認くらいで、あとは当初決めた通りにこなすだけだったので、この戦況にぶれないスタンスはきっと安定した結果に結びつくだろうと思っていました。
1~2週目
そして、私たちのチームは大会当初は自分たちも驚くほどの快進撃を見せました。
最初の土日は選んだ10頭がすべて3着以内という文句のない成績を見せた上、翌週も勢いが止まらず2週目終了時点では以下のように後続を引き離してトップを走っていました。
- Expectedチーム(168p)
- ピヨニティチーム(136p)
- Mの法則×血統チーム(78p)
- 1989チーム(73p)
- 満足チーム(71p)
- 関西チーム(69p)
- デジログチーム(56p)
- 競馬予想GPチーム(-20p)
これを受けて協賛の競馬予想GPさんの優勝チーム予想でも私たちのチームは断トツの獲得票でした(結果的にその期待を裏切る形となり申し訳なかったですが)。
正直この状況が出来過ぎであることはわかっていたので(1日30ポイントが目安だったのに平均40ポイント以上の獲得ペースだったため)、皆さんからの期待にやや不安は感じていましたが、この点差が有利なのも事実なのでペースは鈍化しても逃げ切れるつもりでいました。
強いて言えば、この時点で唯一怖かったのはピヨニティチームです。
私たちが出来過ぎ以上の成績を叩きだしているにも関わらず、ぴったりと後ろをマークされていたからで,これが本当の実力だとしたら正直逆転される可能性は高いと思っていました。
3週目
そして予定外だったのは3週目です。
この週が終わると5位以降は脱落してしまうため、4位以内の確保を目指して堅実なポイント獲得を目指すチームが多いと思っていました。
先述の通り大穴狙いはかなり不利なため差が離れている競馬予想GPチーム以外はやらないでしょうし、小さなポイントを重ね合って勝負してくれる分にはトップの私たちにとっては有利なので、この週は比較的安泰だと思っていました。
しかし、実際にはデジログチームと1989チームが大きく差を詰めてきました。
確かに大穴狙いはよくありませんが、5~7番人気の中穴程度であれば高い期待値を持ったまま高得点が期待できますし、そこにうまく2倍ポイントが重なれば、大きな得点を得られます。
2倍ポイントは運の要素も大きいものの、このような戦略の裏付けがないと効果を発揮することはできないのですが、そのあたりをきちんと突いて差を詰めた2チームはさすがでした。
また、この週に自分だちが足踏みをしてしまったのも痛かったです。
(十分に考えられる範囲の下ブレではあるのですが)
3週目が終わってのポイントです。
- Expectedチーム(189p)
- デジログチーム(184p)
- 1989チーム(183p)
- ピヨニティチーム(162p)
正直、ここで差を詰められてしまっては、そのあとはかなり厳しい戦いになると思っていました。
というのも残り2週は2場開催となってしまい、わがチームの戦力の柱である評価順合計3位・4位の馬が減ってしまうからです。
もちろん他のチームも候補馬は減るでしょうが、機械的に買い目を出している私たちの方が分が悪いと思っていました。
ラスト2週と最終日
上のように差が詰まってからは、力のあるチームたちが相手ということもあり、結局4週目には4位まで落ちてしまいました。
この中では11/24に評価順合計3位・4位馬が5頭いたため(記事の最後の表参照)、この日が大きなチャンスだったのですが、残念ながら成績は振るわず、渾身の2倍ポイント馬もマイナス10ポイントという結果に終わってしまい、実質的にはこの時点で優勝は厳しかったと思います。
そしてそのまま最終日は4位で迎えましたが、この日だけはこれまでの選択ルールを変更し、優勝を狙うために戦略を変えました。
具体的には、マイナス点覚悟で7番人気以降の馬だけを狙う作戦を採りました。
(その覚悟通り1レース目ですぐにマイナス食らいましたが(^^;))
その後3レース外れた時点で優勝は諦めて3位狙いへと目標を切り替え、最終レースでは5番人気馬を狙いましたがこれも残念ながら5着まで。
最終的には以下の順位となりました。
- ピヨニティチーム(343p)
- 1989チーム(316p)
- デジログチーム(263p)
- Expectedチーム(259p)
仮に目標の1日30ポイントを取っていたとしても11日間では330ポイントで優勝には届かなかったので、優勝チームのピヨニティは素直に凄いと思います。
結果としては残念でしたが、最後まで逆転の一手をチームで相談したりして、個人的にはかなり楽しかったです。
急な誘いにもかかわらず参加に快く応じてくれて、最後までアイデアを出して一緒に戦ってくれたびっくるさんときーちゃんさんには心から感謝しています。
また、企画から運営まで一人でこなすなど相変わらずの手腕を発揮していたR channelさん、応援してくれた多くの観戦者の方々、協賛で盛り上げてくれた競馬予想GPさん、熱い戦いを繰り広げた他チームの皆さん、ありがとうございました。
これからも色々と接する機会もあると思いますので、引き続きよろしくお願いします。
(おまけ)大会中の評価順合計3位・4位馬の成績
上でも触れた通り、事前分析では「3人の評価順の合計」が3位あるいは4位の馬の成績はかなり良かったですが、大会本番でもかなり良い成績を残していました。
大会では全55頭の予想馬のうち、3位馬15頭、4位馬20頭を指名しましたが、これらの馬の成績は以下の通りでした。
3位馬と4位馬合算で事前の成績と同様に単勝回収率110%超えを達成していました。
またこの回収率にて的中率が20%超えているのはかなり優秀だと思います。
これが大会期間中だけの成績なら「たまたま」という可能性も高いですが、年初から10月まででも同様の成績でしたからね。
よく予想の際に「誰々との被りは相性が良い」という言葉を聞きますが、このようなデータの裏付けがあると信頼感も大きく増すと思います。
実際に私やチームメンバーもこれらの馬券を購入してオイシイ思いをさせていただきました。
他の人の推奨馬との組み合わせはこのように有効なことも多いと思うので、今後試してみたいですね。
(この2人ほど相性がいい相手が見つかるかはわかりませんが)
おまけは以上です。
最後に私たちのチームの指定馬の全成績を載せて締めたいと思います。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました!