今回は馬体重と回収率の関係について見てみます。
人間界でも、スポーツなどでは体が大きい方が有利な競技が多いと思います。
バスケットボール、バレーボールなどは身長の高さがそのまま有利になる競技ですし、アメフト、ラグビー、格闘技など直接体がぶつかり合う競技においては基本的には体重が重い方が有利です。
そこまでわかりやすくなくても、陸上、水泳、サッカー、野球、テニスなど、小さいよりは大きい方が有利であるという競技がほとんどだと思います。
それらを踏まえると競馬においても同様に馬体が大きくて重い方が有利だとは考えられないでしょうか?
馬同士の身体がぶつかりあうことなどはしょっちゅうなので重い方が有利でしょうし、スタミナや体力も身体が大きい馬の方が優っているのではないかと推測できます。
このような推測が立てば、あとは実際のデータを調べるだけです。
そこで今回は馬体重と回収率の関係について見ていきたいと思います。
さっそく馬体重ごとの成績を調べてみると、以下のような結果となりました。
(対象:2016年7月~2021年5月の障害レースを除く全レース、単勝2~7番人気のみ)
傾向がわかりやすいように、カラースケールを使って表示してみました。
この結果を見ると馬体重が重い馬の方が軽い馬よりも勝率、単勝回収率ともに高い傾向があることがわかります。
このうち勝率が高いというのは事前の推測通りなのですが、さらに単勝回収率が高いということは「馬体重が重い方が有利」という事実はまだオッズには完全に織り込まれてはいないことになります。
すなわち、多くの競馬ファンは「馬体重は重い方が勝ちやすい」という事実を予想に反映しきれていないわけです。
上の結果は単勝2~7番人気とそれなりに票を集めた馬の結果ですから、いかに馬体重という要素が軽視されているかがわかります。
ただ、新聞やブログのレース予想を見ていても「この馬は馬体重が重いから軸にする」とか「この馬は馬体重が軽いから切る」というような記述はあまり見たことはありませんので、確かに馬体重はあまり重視されていないと言われればそれも納得いきます。
さて、それでは上の結果をどのように馬券予想に利用するかについて考えてみます。
私は「単勝回収率85%以上のデータをプラス評価、単勝回収率75%未満のデータをマイナス評価」していますので、それに当てはめて考えてみます。
まず、上の表では馬体重が410kg以下の馬は、単複とも回収率が75%を超えていません。
よって「馬体重410kg以下はマイナス評価」というルールを1つ設けられそうです。
次に521kg以上の馬については、馬体重551kg以上で回収率が80%を割るところから重すぎる馬についての研究余地はありそうですが、総じて回収率は高そうです。
よって「馬体重521kg以上はプラス評価」というルールも作ることができそうです。
では、実際に410kg以下と521kg以上をまとめて成績を見てみましょう。
(対象:2016年6月~2021年5月の障害レースを除く全レース、単勝2~7番人気のみ)
マイナス評価については当然の結果ですが、プラス評価についても単勝回収率は85%を超えました。
よってこのままルールに採用しても良いのですが、次回はもう少し細かく見てみたいと思います。
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