今回はクラス変動、すなわち昇級や降級と回収率の関係を見てみたいと思います。
昇級馬は上のクラスでも通用するのか、あるいは降級馬は格下だったはずの相手にちゃんと勝てるのか、馬券購入の際に悩むこともあるかと思います。
そんな悩みを今回の一連の検証によって、むしろ回収率アップのための武器にしてしまいましょう。
では、さっそくですが、クラス変動と回収率の関係を見てみます。
データ検証には私が使用している「馬王Z」というソフトの「クラス変動」という項目を用います。
前走の出走クラスから上級条件に移動していればプラス値、下級条件に移動していればマイナス値となる
まず、すべてのクラス変動についてデータを集計すると以下の通りとなります。
(2014年4月~2019年3月の障害レースを除く全レース、単勝2~8番人気のみ)
表の見方ですが、例えば「-3」というのは前走から3クラス下のレースへの出馬を表し、「5」というのは前走から5クラス上のレースに出馬していることを表しています。
重賞は、GⅢ、GⅡ、GⅠでそれぞれクラスが1つ上と定義されており、500万下の馬がG1に出るケースや、そのG1で負けて次レースに再度500万下に出るケースなどで絶対値が大きな数字が発生します。
ただ、上の表を見てもわかる通り、2クラス以上変動する馬というのはかなり数が限られることになります。
そこで飛び級もひっくるめて「昇級戦か降級戦か」という括りで上の結果を集計してみたのが以下の表です。
(2014年4月~2019年3月の障害レースを除く全レース、単勝2~8番人気のみ)
まず、降級馬について見てみます。
降級馬はクラス変動がない馬や昇級馬と比べて勝率も複勝率も高くなっていますが、これは相手が格下になることを考えれば当然の結果と言えそうです。
しかし、勝率が高いにも関わらず単勝回収率は高くなってはいません。
これは降級馬の勝率が高いことはすでにオッズに織り込まれているためと考えられます。
続いて昇級馬です。
格上の挑戦となるので勝率は下がっても良さそうですが、意外にも「クラス変動なし」の馬とほとんど勝率が変わりません。
一方で、回収率は単勝も複勝も「クラス変動なし」と比べると落ちます。
私はこれは「昇級馬の多くが前走(下のクラス)で1着あること」が原因であると考えています。
というのも、多くの競馬ファンの予想においては前走成績というのは大なり小なり意識されるもので、その際「前走1着」であることが買い材料の1つになる可能性は十分にあり得ます。
そのために過剰に人気を集めてしまい、回収率を落とす原因となっていると考えれば納得がいきます。
ただし、いずれにしても私のマイナス評価の目安である「単勝回収率75%」を下回っていませんので、マイナス評価には至りません。
よって、次回はクラス変動と回収率の関係についてもう一歩踏み込んで見てみたいと思います。
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