競馬で的中率を上げるべき人と回収率を上げるべき人

時々読者から「的中率はどの程度まで上げればよいですか?」とか「回収率は高ければ高いほどいいんですよね?」という質問を受けることがあります。

これらについては一度整理した方が良いかもしれませんので、今回は「的中率と回収率」について取り上げてみてたいと思います。

回収率が100%未満であれば、的中率は下げてでも回収率100%超えを目指すべき

まず大前提として長期的に回収率が100%未満であれば競馬で儲けることはできません

当然のことのようなのですが、目先のレースを的中させることに全力を注いで、長期的な回収率を考えない競馬ファンはかなり多いと思います。

やはり投票する以上は当てたいという気持ちが働くのは自然ですし、またよく当たる予想家を見て「すごい」と思ってしまうのも無理はありません。

ただし結局のところ、的中と不的中を繰り返した結果、投資金額よりも払戻金額の方が多ければ儲かるわけですし、払戻金額の方が少なければどんなに的中率が高かったとしても儲けることはできないのです。

仮に回収率が90%だとした場合、それは理論上の平均値(70~80%)と比べれば素晴らしい成績ですが、それでも投資し続ければ続けるほど資金は目減りしていきます。

特に的中率が高いと多くの金額を張りやすいので注意が必要です。

万馬券には大金を突っ込めなくても単勝1.1倍の馬券には大きな金額を投資しやすいですよね?

しかし回収率が100%に届いていないと大金を張れば張るほどあっという間に資金を減らすことになりますので注意が必要です。

的中率が高ければ高いほど資金の減りが早いというのは人によっては盲点だと思いますので、気を付けて下さい。

 

また、的中率と回収率はたいていの場合は相反関係(片方を上げればもう片方が下がる)にありますので、回収率が100%を超えていなければ的中率を下げてでも回収率100%超えを目指す必要があります

もし、あなたの予想が回収率100%まであと少しだけ届かないというような状況であれば、試しに1番人気は買わないとか、購入馬券のオッズは何倍以上にするというようなルールを設けてみて下さい。

それだけで回収率が100%を超えてしまうこともあると思いますので。

一方で、まだ100%に遠く及ばない人はこのブログの「データ分析」のカテゴリ記事を参考に、複数の有利な項目を組み合わせてみて下さい。

 

回収率は高ければ高いほど良いわけではない

次に、どちらかというとこちらの誤解の方が多いと感じるのですが、「的中率が低くてもとにかく回収率は高ければ高いほど良い。」という意見を耳にすることがあります。

これは「100%未満においては回収率を上げることが大切」という先ほどの話とごっちゃになっているのかもしれません。

 

しかし、回収率が100%を超えているのであれば、的中率というのは資金を運用する上でとても大事な要素になります

 

具体的な例で考えてみます。

例えば以下の2つの馬券術があったとします。


A馬券術:回収率110%、的中率100%
B馬券術:回収率150%、的中率1%

両方の馬券術が適用できるレース数が等しいとすると、どちらの馬券術の方が投資対象として優れていると思いますか?

これは直感で分かると思いますが、答えはA馬券術です。

A馬券術は毎回必ず当たるわけですから、常に資金を全額投資できます。

よってレースごとに110%ずつ資金が増えていくわけです。

1万円で投資を始めても100レース後には資金は1億円を超えています。

計算式
10,000円×1.1100=137,806,123円

一方のB馬券術では100回に1回しか当たりませんから、100レースに投資してようやく1万円が1万5千円になるかどうかというところです。

注意
どのように資金配分をするかによっても変わりますが、ここでは単純に1万円を100分割して1レース100円を賭けたとしています(破産確率を考えるとこれでも賭けすぎなのですが)。

このようにA馬券術の方がB馬券術より回収率が40%も低いのに、投資をする上ではA馬券術の方が優れているわけです。

なお、ここではわかりやすさのために的中率100%という極端な例を用いましたが、実際には的中率100%があり得ないとしても、例えば的中率30%の馬券術と的中率5%の馬券術では資金効率に差があることもわかると思います。

よって、回収率が100%を超えたのであれば的中率の向上も意識するべきなのです。

 

また、的中率が高い馬券術の方が、信頼性も高くなります

先ほど例として挙げたB馬券術は「回収率150%、的中率1%」でしたが、100回に1度しか当たらないような馬券術ではその有効性を確認するためには相当なレース数が必要です。

例えば過去1000レース中で平均150倍の馬券が10回当たっていたとして、この馬券術を果たして「有効だ」と考えることができるでしょうか。

むしろそのような高配当馬券を拾い出すような条件を恣意的に定めてしまっている可能性が高いと思います。

それよりは同じ回収率150%でも、1000レース中で15倍の馬券を100回当ててるような馬券術の方がより信頼性が高そうだということはお分かりいただけますよね。

そういった意味でも的中率は高い方が望ましいのです。

 

では的中率を上げるためにはどうすれば良いのか。

それは先ほどとは逆で、人気どころの馬券、つまり低いオッズの馬券を多く狙うようにすることです。

的中率と回収率は基本的に相反関係にありますから。

 

以上、どちらも当たり前のようなことではあるのですが、聞かれることがよくあるため記事にしてみました。

回収率が100%に満たない人は「当てようとすること」をなるべくやめるよう心がけ、一方でひたすら回収率の向上を目指している人は、一度その追究の手を止めて的中率を上げる工夫をしてみてください。

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競馬歴20年のたいのすけです。 逃げ馬の研究をきっかけにここ数年は「競馬で勝つ」ことを追求し、分析と実践を繰り返しています。 徐々に成績は向上してきていますが、目標とする「完全自動投票でお金が勝手に増えていく」という状態にはまだ達していません。 なるべく多くの情報を発信して、それを受け取った方々から反対に情報をいただく、というのが現在のスタイルです。 ぜひ情報交換していきましょう!